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漆樹科

引用
『漆樹科』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-05657)
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ID
M2005033015535619015
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
漆樹科
別タイトル / 旧書名
Vol. 034 漆樹科
巻次
034-083
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
漆製法(うるしこしらへかた)一覧、夫漆は日本支那(から)に多く産し、殊に日本産は上品にして古より欧州(ようろつは)諸国に於ても最称誉(はめ)し、亦漆器(ぬりもの)は貿易品中最なる品物にして、且実はりは蝋を製出すべく国益をなる事尠からず、今樹及漆(うるし)液の取り方并製法を略記して児童(こどもたち)に示す、蝋の事は別に諭ずべし、漆樹は雄本雌本にして、其雄本は実を結ぶ事なし、其樹年を経るものは高さ六七間に至る、此業を盛になす国にては四五年より七八年迄の間に漆を取り、其後は伐木す故に大樹なし、又蝋を製する地にては漆は取る事少し会津米沢にては蝋を多く取る故に拱大(おほきなる)の樹多し、漆樹を仕立るに、二法あり、実生と根(ね)/漆樹の図/苗畑の全図/檗(ぶき)となり、実を下種(まく)するの法は先臼にて搗き蝋を去り之を灰汁(あく)にて能く揉み洗ひ後俵に入れて馬尿亦は水中に来春迄浸し置、春分前に畑をよくこなし、八十八夜頃に散蒔(ばらまき)にして薄く土を蓋ひ置なり、又根檗(ねぶき)より取る法は根を切りて植ならべ芽を生したる処を分栽するなり、然れども根より取りたる樹は枯痩(かれる)すること早く実生の方遙に勝れりと云、漆液をはる事は地の肥瘠(よしあし)と樹乃善悪とにはり生長差ひあり/より流れ出る液を鉄の箆(へら)(第二図)にて掻き取り、腰に帯たる筒(第三図)へ溜るなり、其傷の付方は一株乃樹へ一筋其次の樹へ一筋と順次に傷つけて漆を取り其日より四日目に先の傷痕の上へ亦傷つける事前の如とし如此四日目毎に傷つけて遂に全木へ図乃如く傷け終り後根本とより伐倒すなり、漆を取る器械を下に図す、又漆を取り溜る筒は竹にて製し、亦厚朴(ほうのき)胡桃(くるみ)の皮にても製す、漆を取る候(じせつ)は半夏生に初見十月に終る、初終の漆は上品ならす、夏の土用より秋分迄乃間に取るものを上品とす、甲は半夏生より秋分迄に掻とる、是をヘンと名く、乙は秋分後に掻取る下品なり、是を/掻鎌にて樹へ傷つける図/丁丙丁丙丁、丁丙丁、乙甲乙、乙甲乙、樹皮に傷つけたる図/ウラガキと名く、丙は乙終りたる後漆液下降(くだる)する候、如此傷く春分より秋分の後迄は漆の気上騰(のぼる)す、秋分後は下降す故に其時を待てとる、亦下品なり、丁は丙終り後十月に至り将に漆掻を終らんとする時如此傷けて取る、是亦下品なり、枝より取る法は漆を取り終りて伐倒せし、樹の枝を二尺五六寸に截り、径一尺五六寸に束ね是を水中に浸す事十日より廿日許にして取出し中等の枝は図の如く横に竹を施し
科目
ムクロジ目ウルシ科
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
備考
上半分
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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メタデータのライセンス
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