漆樹科

日本語

一、越前はや是は越前の国より出る漆也、上ものにてはなし、溜塗漆に調合してつかふ、一、最上はや同赤もの、是は信濃国より出る漆也、上ものにてはなし、溜の類に調合してつかふ、一、丹波又朝倉共云丹波国より出る漆也、朝倉と共いへは但馬の国よりも出るか下漆也、下りものに大分つかふ事也、一、はだ瀬と云うるしわかき能はやき漆也、溜に多つかふ、一、唐漆是は渡りもの也、是斗はつかひかたし、色も能黒き也、つや光ありて見事也、性和にして弱し、かれおそきうるし也、呂色を塗によし、■、調合する事也、■き塗にもつかふ事あり、おそきうるしなれ共一度に厚つけれはかれざる也、又縮りつく也、唐うるしの事を漆唐にてこんこつとも云、又らかん漆とも云、右之外にも国々漆有之候共多なけれは是所斗にて諸国へ入渡りかたし、漆は土地によりて右の通是品所わかるれは其用にあひかたきうるし多し、右より今日つかひて其功あるは右より子今出る事也、土地の厚薄も替ものなれはくくるとても又能うるしの出る所も有事なり【影写本草】品字社蔵