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橙橘科 橘譜

引用
『橙橘科 橘譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-03924)
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ID
M2005033015215415603
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
橙橘科 橘譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 020 橙橘科 橘譜
巻次
020-038
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
其皮薄ク色黄シテ味ヨシ、不酸ミカンヨリ大也、是真橘ナルベシ与本草合ヘリ、其味ミカンニマサル、又一種ヨク白和カウジニ似タル橘アリ、是亦ミカムヨリ大ニシテ、味亦ヨシ中華ノ橘ナリトテ西土ニアリ、△温(ウン)州橘其葉密橘ニ似テ薄小ナリ、其実ノ肌密橘ニ似タリ、大サ亦同ミカムヨリ厚シ味亦似タリ、皮ノ裏如柑蜜橘ヨリ薄シ、皮ノ味ハミカンニ劣レリ、其色ミカンヨリ赤シ、二三月ニ至リ味弥ヨシ、土佐州ヨリ出、コレヲ日本ニテ温州橘ト称ス、本草ニ橘譜ヲ引テ柑橘温州者為上云リ、凡中華ノ書ニ所記ノ品類ト本邦所在ト同キアリ、不同アリ、橘類ナト各有無異同アリ、△包橘(カウン)ハ橘ヨリ小也、皮ウスク瓢ノヘタテ上ヨリ見ユ、皮ニ光アリ、熟シテ後色黄ニシテ味甘シ、本草ニ見タリ、又大カウシト云物アリ、古人柑ヲカウシト訓ス、今、包橘ヲカウシト称スルハ誤也、タチハナハ橘ノ本名ナルヲ他果ニ名付ルガ如シ、△タチハナト云物カウシニ似テ小也、金橘ヨリ微シ大也、是本草所謂油橘カ未詳皮薄ク味スシ上少クボメリ、橘類ノ最下品也、タチハナハ橘ノ本名ナルヲ此果ニ名ツケタルハ誤也、△紅橘アリカラヨリ来ル、ミカンニ形似タリ、其色ミカンヨリ紅色、本草ニ朱橘ト云ナルベシ、又緑橘アリ、味甘シ、△タネナシミカン大サハ常ノミカンニ同シ、味ヨシ、山州長池又紀州ニモアリト云、△日本紀垂仁帝九十年命田道間守(タテマモリ)遣常世国令求非時香香(トキシクノカクノミ)今謂橘是也、今按ミカン此時初テ日本ニ来ル常世国未詳何地、△中夏ノ書ニハ橘下埋鼠則結実加倍スト云、本邦ニテハ猫ヲ埋カヨシ云、△橘類薬豆ノ中ニ収ヲケバ久ク不損米穀ノ傍ニヲケハ早ク損ス、△橘ヲ十一月ヨリ雨ヲサケテカゴニ入レ、或ハワラニアラク包ミ、日ニ乾壁ニソヒテカクレハ易腐春月ヨク干タル時器ニ収ヲキ、咳痰久ク愈サルニ刻テ生姜ヲ加ヘ、煎用甚験アリ、其気味ヨシ、痰ヲ除キ咳ヲ止メ肺ヲ潤シ、胸ヲ開ク、香気アリ、果トシ食テモ味ヨシ、能ホシタルハ久ニ堪テ損セス、老人虚冷人ハ生果ヲ食セス、是ヲ食ベシ核トモニ用ユ、●用薬須知曰橘キノクニミカン為白輪柑子者非也、一名ハ柑、△青皮和名アヲミカンノカワ、ミカンノ青時ニ採ルモノ八九月ニ収ムベシ、但シ薬家ニ所売ノ青皮ハ柑子ノ皮ヲトリ、橘皮ニハミカンノ皮ヲ采アリ、柑子ハ多シテ不貴ルヲ以テ青時剥采テ青皮トナシテ売ル、青皮ハミカムノ青キヲ自採ベシ、方書ニ四花青皮ノ称アリ、是別ニ二三種アルニ非ス、只其皮ヲ裂テ為四片ホシタル者ヲ云、△陳皮和名ミカンノ皮、和漢共ニ入薬料而唐又二種アリ、其形極メテ大ナルハ広東(カントン)ノ橘皮也、和ニモ有之、近世和ノ陳皮ニ挟雑(マジリモノ)多シ、ダイダイ九年母ノ皮不択(エラバ)シテ入ルアリ、当択玄密柑、柑子(カウシ)大抵気味功能相通ズベシ、然レトモカウジハ気味劣レリ不可用、△達按旧説襲(ヲソヒ)用時珍橘柑説以皮之緊縵(カタキユルキ)別之緊者為橘縵者為柑先輩又以遠州白輪柑子充橘其余柑子為韓彦直橘譜所載包橘今検韓氏譜無名証子今断以白羽以下諸柑為包橘以蜜柑為古人所指之橘珍説誤矣不可依従也、橘柑之説別録之丈多不録于此
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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