芸香科

日本語

一きはだ、きわだ、黄檗也、信州所々多し、大木有り、木灰黒色の皮にて甘肌（アマハダ）金黄色也、故に俗黄肌（キハタ）と名付、葉は槐葉及ひ山漆の葉に似て面薄青色清白色文脈乃上に綱白茸有葉乃■り少皺縞ありて、鋸葉なし、一葉巾一寸斗り、長三寸斗り葉黄黒色両枝対生一枝各七葉対生ス、春未花咲女郎花乃形に似て花白くすなり咲く、実大形南天と一様そり立て生■は青く熱は黒赤色味酢く■と辛渋苦キ様ニテ臭気あり、首をかめば臭気久敷口中に残る、長谷村にて実をしこのへいと云、ズイ痰ニ吉ト云リ、合類ニ曰小檗木（シコノヘイ）未詳ト云リ、案之に黄檗子也、コノヘイノ訓古来ノ名ニシテ本訓ナルベシ【木曽■木名寄】／黄檗（キハダ）何ノ地ヲ問ハスシテヨク生育ス、就中岩石ノ間ヲ好ム、古ハ加賀日向ノ産ヲ最良トス、今ハ木曽山ヨリ出ル皮ヲ上品トナシ、美濃皮ト称ス、実ヲ下シテ十余年ヲ経ルモノ其皮ヲ剥削スヘシ、四五年ヲ伐期トス、常ニ糞水魚汁ヲ澆クトキハ能生長ス／効用、材質柔軟外皮白色ニシテ、皮裏深黄ナリ、片板トナシテ、箱金ヲ作ルヘシ、皮ハ黄色ノ染料トナス、一説ニ百年ヲ歴ルモノハ根底ノ傍ニ一塊ヲ結ヒ、花苓ノ如キモノアリ、小根コレヲ点綴ス、名ツケテ檀桓芝ト云フ、薬材トナスヘシト／代熊担法黄栢五十目艾葉十両忍冬｛、五両二十草二国煮つめて膏につくる其物真熊担に勝れりといふ大峰の陀羅尼助も此類なるへし、山海名産図絵に備後国にて製する法を出せり、曰冬月製すれは夏に玉て爛やすし、必夏月製すといへり本方の分量にて造れは普通の熊担六七枚ほとを造り得へし、又民間に忍冬一味を煎して膏に作る事あり、亦能功を発せり【本朝送談】、朱書｝

ムクロジ目ミカン科

「伊藤圭介」の朱印