秦椒譜
引用
『秦椒譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-03220)
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ID
M2005033015083914199
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
秦椒譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 013 秦椒譜
巻次
013-026
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
泰椒、サンシヤウ{果之四、朱書}、通名山柎ト唐ニモ書、毒草ノ部ニ茎草ノ附方ニ山皮椒アリ、其ハ何処ニモアルナリ、山中ニモ幽谷ニ自然生アリ、其ハ上品ナリ、春新葉ヲ生ス、其ヲ木ノ芽ト云取リ食ナリ、葉延ニ花葉間ニ生スルハ雄也、是ニハ実ナシ、是ヲ花山椒ト云、実ハ花ナクシテ初ヨリ実出来是雌也、此ヲ実山椒、花山椒ト云、花山椒ハ雄実山椒ハ雌也、花ノ生ル方ハ皮ヲ削カラ皮ト云、刻昆布ノ如シテ売也、コレヲカラカワト云、味辛シ名物也、江戸ニテハ日光ヨリ出ツ辛ミ強シ、コノ山椒ノ実夏秋熟ス、コレヲ点紅椒ト云モノ也、一種稙樹家ニテ、兼大ナルモノニシテ、実ナキモノ此ヲトウサンセウト云、ミナシサンセウト云モノ也、本条一名房椒【書叙指南】、由椒【同】、青椒【八閩通志】、金九使者、菜譜金ノ字小ノ字ノ誤ナラン、茮、通雅椒ノ字ノ書カヘ、含九使者【清異録】、唐殻【通雅】、椒【同】、陸撥【同】、一種冬山椒ト云、阳地ニアリ、是ハ葉大ク長ク竹葉ノ如七枚付カ一葉アリ、常ノ山椒ヨリ刺大両対ス、葉ノ軸ニモ刺アリ、冬モ葉枯レズ、イツ迄モアリ、其ヲ一名フダン山椒ト云、充州ニアリ、実壬常ト同シ、熟シテ赤ク、冬ヲ経テ春マデモ付テアリ、味香共ニ劣レリ、辛味少シ、集解煩説ニ、竹葉椒ト云是ナリ、是ニ一種柚サン椒ト云アリ、土州ニアリ、暖国ニアリ、冬山椒ト同形、四月比実出来、竹筍ト一所ニ食、其香柚ニ似タリ、是ハ竹葉椒ノ一種ナリ/蜀椒、アサクラサンセウ、是ハ蜀ノ国ノ山椒也、唐デハ、蜀ヲ上品トス故ニ別ニシテ、薬ニ遣也、日本デハ朝倉ヲ上品トス、其ヲ薬ニ遣故ーーニ当ル、唐ノニアタルテハナシ、其功ヲ以テ充ル也、朝倉ハ但州ノ地名也、今ハ丹波ヨリ多ク作リ出故、丹波ノ名産トナル也、又献上ニモナル、本ハ但州ヨリ出ル也、此ハ常ノ山椒ト違、早ク枯十年迄ハ持ス故、丹波ニ作ル処ハ多接木ニス、其ハ常ノ山椒ヨリ、葉大多香気宜刺ハナシ、実ハ常ノ山椒ヲ三ツ合タルホドノ大サ也、辛強薬店ニモ売也、実ヲ去テ皮斗モ売也、有馬ニテハ常ノ山椒ヲヘンセウト云、本条一名峡椒【事林広記】、峡ハ蜀ト同シ/{土椒、蜀椒条下、朱書}/{或ハヒニシヤウト呼ビ下品トス、今薬店ニハ朝倉ザンシヤウノ子ヲ去リ■ノミウル、朱書}崖椒、イヌサンシヤウ、其ハ野辺ニアリ、幽谷ニハナシ、路辺ニモ多アリ、二三尺ニナリテモ花実アル也、古キハ丈余ニモナル、常ノ山椒ヨリ葉ノ巾狭長シテ香悪シ、大抵ニ似タリ、葉色浅葉多付、常ノ山椒小シテ多付カズ、是ハ一葉ノ内、小葉左右ニ付コト多シ、最初新枝ノ柏ニシテ花ツク、常ノ山椒ト違、枝ノ梢ニ多一処ニ花集り、間小ク、白シテ弁ナリ、其後実出来ル也、実ハ常ノ山椒ト同シ花モ同シ、一処ニ聚リツクナリ、後熟シテ、皮破レテ黒キ仁出、常ノト同シ、赤クナスニ茶色ニシテ開ナリ、香ハ悪シ、食用ニナラス、此木皮ヲ和方ニハ、多遣薬店ニモアリ、是ヲ和方書二千葉皮、隠シ名ナリ、ト云、散薬ニ用薬店ニアリ/{ナルハジカミ【和名鈔】、フサハジカミ【同上】、朱書}蔓椒、和算シレス、是ハ犬山椒ノ品類也、枝軟ニシテ、蔓ノ如シ、外ノ山椒ハ軟ニナシ、和名抄ニイタチハジカミ木ソギトモアレトモ、今ハシレズ、正字通ニ曰、広東椒蔓生者冬月取椒藤置土埃坎中用稲草覆之、次年春発坎取藤節有萌芽者種田〓間、結子青緑色皮皺〓乾味与樹椒同、又嶺南ニ蔓生ノ山椒アリト云々/地椒、和産シレス、是モ蔓椒ノ形ニシテ、小シキ見ユ、地椒ハ草部大根中水楊梅ト云アリ、是ト同名也、本条一名地花根、【附方】/{木、田西湖曰、先輩肥後産スルツルサンセウニ充未詳、朱書}/関山柚山椒、当山ハ人皇四十五代、聖武帝の皇后光明院の御祈願にて其定宗なり/{箸ニ作リ奥州白川栄寿堂[ ]、朱書}
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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