自ミ至テ
引用
『自ミ至テ』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-01682)
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ID
M2005033014390210949
コレクション内カテゴリ
- 錦窠蟲譜
書名
自ミ至テ
別タイトル / 旧書名
Vol. 006 自ミ至テ
巻次
006-070
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
昆虫タルヤ専ラ稚松ヲ咀嚼シ、未タ大樹ニ見スト云フ、其矮樹ニ附着スルモノ、恰モ果実ノ累々トシ為ニ幹枝ヲ垂ルヽニ異ナラス、又以テ其惨状トスヘシ、就中甚キハ街道ノ行樹、六七年前栽植セシ稚松、即チ一本木駅ヨリ大更村ニ至ル二里許ノ間、青色ヲ見ス、又岩手山ノ麓柳沢村、下田村ニ連ル郊原、此地方ハ宮城鎮台兵ト青森分営兵ト?々野営演習ノ地ニシテ、一望極リナシ、自生ノ松樹所々ニ林立セリヲ一望セハ、左ナカラ一体ノ赭色ヲ呈シ、其林立茶筅状ヲナサシムルノ為体クナリ、又該虫ノ樹ニ駐着スル挙動ヲ覘ニ、日光ヲ避ケ、支梢ニ匐出シ、樹葉ヲ饕餐シ、若シ物ノ之ニ触レハ飛揚セスシテ地上ニ落ツ、落レハ忽チ草根或層土ニ潜伏ス、而テ時アリテ又樹梢ニ飛登スル者ナラン、初更黯淡ニ際シ、其樹ヲ離レ、天辺ニ群行シ飛号スル、恰モ雷鳴ノ段々タルカ如ク、又水声ノ〓■タルニ似タリ、其声音ヲナスハ日暮ノ候ヲ最トス、一時間余ニシテ止ム、又時アク鳴音ヲ発スルコト如初半夜ニ至ルマテ三回ニ及フコトアリ、依テ南ハ一本木、北ハ大更、東ハ下田、西ハ柳沢ノ四ケ処ニ駆除員則チ十名ヲ分派シ、各人夫ヲ要シ此ニ分担従事セリ、然トモ昆虫ナルヲ以テ出没変幻一定ナラス、今日此ニアルモ明日忽焉トシテ去リ、駆除亦其変ニ応シ投機ノ術ヲ施サヽルヲ得ス、其駆除ノ一着ハ篝火ヲ施スニ在リト、依テ乾燥ノ雑草ヲ爬集シ枯枝ヲ層累シ、其鳴音ニ際シ火ヲ放テ、火焔ヲシテ熾ンナラシムレハ、群ヲナシ投火スル、左ナカラ雨霰ノ風ニ乗シ急射スルニ異ナラス、尤暗夜風ナキヲ好機トス、又実地ノ景況ニヨル可ト雖モ、凹処ニ篝火スルヲ妙トス、深更ニ当テハ?ノ火ノ功ナシト覚ヘタリ、右ノ方法ニ拠リ、七月廿四日ヨリ従事シ、八月
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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