自ヨ至ク

日本語

利■（レーフ）油ヲ塗リテ緑不酸ニテ之ヲ洗フベシ、」此獣ヲ室内又臥床ニ置ケバ蚤ハ人身ヨリハ之ニ着クモノナリ／蚤の奇説、ヒギュイル氏著、伊藤篤太郎訳、本文ハ仏人ヒギュイル氏所撰の昆虫書中より抄訳せし者なり、然り而して其原書乃文章辞句固より彼我ノ文情文理に於て多少同一なる能ハず故に（　）（ヲ、訂正）を冠して姑く之を別つ読者（よむひと）深くな咎め給ひぞ、夫れ蚤ハ蠢蠕たる微虫に過ぎずと雖とも、その体の大さに比すれば、其剛力なるは実に非凡なりと謂ふべし、予は、今、蚤ハ無敵の強力者なりと謂ハバ、読者為めに抱腹絶倒せらるゝやも知る

伊藤篤太郎