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浮世珍説録

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"浮世珍説録" owned by Nagoya University Library, retrieved from Kotenseki Descriptive Database(https://da.adm.thers.ac.jp/en/item/n004-20230901-02587)
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CSV
ID
o11
Collection category
  • Okabe Bunko
Number
11
Title
浮世珍説録
Title in Kana
フセイチンセツロク
Other title
浮世珍説録
Quantity
3冊
Size
26.9/19.0
Even number
86
Equipment
原装
Print
Transcription
原写本か。
Book format
Creation
上巻17丁目裏の画中に「安政四巳年御願済達」とあり、安政4年中の成立。下巻は「卯」とあり、安政2年中か。
Creation guess
幕末写
Existence
全3巻
Content notes
安政4年(下巻は2年)中に江戸の市井で起きた事件の画報風の記録集。漢字かな交じり。略画風ながら生彩のある淡彩色挿画入り。内容、上巻:①:正月19日夜、本郷二町目網屋新助方で、宿泊中の三州の親類が自殺した事件。新助方に借財の取り立てに来たが、返済しなかったため。②:正月20日、芝赤羽橋手前永井町代地的場屋舗(飯倉町五町目)蕎麦屋料理屋増出庵打壊し事件。有馬中務大輔殿屋舗の厩中間が増出庵で喧嘩、自身番へ連れ行き縄を掛ける。その後、近辺で出火の際に有馬屋舗の者が増出庵を打壊す。③:2月5日夜と6日夜、7日夜の3度、南伝馬町三丁目の餅菓子屋奥田屋吉兵衛方のみで地震が起きた奇事。④:2月12日、高三百二十石、小普請騎射人勝部又三郎(土手四番町角)が麹町馬場より騎馬で帰宅途中、三番町通、堀田鎮太郎殿屋敷門で、四ツ谷坂町の肴屋の男と行き違い、男は馬に踏まれ重傷、後に死亡した事故。⑤:2月20日夜、谷中八軒町、清水門より谷中門へ出る角、日蓮宗円妙山大行寺という貧寺に盗賊が押し入るが、住持に丸太を打ち付けられ死亡した事件。⑥:3月上旬、一石橋に建てられた「たづぬる方」「しらする方」とある碑の図。⑦:3月25日夜、牛込白銀町平八店舂屋吉蔵妻すみ35歳が、密通相手の日雇安五郎に切られ、翌朝神田川へ入水した事件。⑧:3月25日、品川宿北本町三丁目善福寺門前伝兵衛店大亀事大工亀吉妻てつ四十一歳が町中引廻しの上死罪となった事件。大亀が中気となり貧窮の余り、てつは東海寺門前に住む高利貸しの座頭の世話を受ける。愚痴を言う大亀と言い争いになり、てつの手が大亀の横腹に当たり、「人殺し」と叫んだことから召し捕りとなる。⑨:4月11日付、跡部甲斐守の申渡書。去月28日夜、本所松倉町十兵衛が酒興の上、知人次郎八の陰部を蝋燭で焼き気絶させた件。名主役を勤めながら不埒至極として江戸払となる。⑩:4月8日、高千百石駿河台胸突坂下小普請組小笠原弥八郎支配朝比奈鐘之助が下女を突き殺した事件。⑪:4月11日夜、浅草東門跡前高原屋敷崇福寺より森下へ曲がる角より三軒目、新渡世吉店長蔵事長五郎方に盗賊が押し入り、長五郎が切り殺された事件。⑫:「森田勘弥座大騒動一件」。4月14日昼九ツ時過、大入りの新狂言「入船曽我日本の取梶」の「宗鑑切腹の場」で、見物の細川若狭守家来藤倉力五郎が「親を殺すとは憎き奴」と刀を抜き、徳兵衛役の下り役者市川市蔵に斬りかかる騒動。浅草寺地中見世物水茶屋小屋取締人、新門住居十番組を組頭取辰五郎が取り扱い、内済となる。中巻:①:4月13日夜、御先手鉄炮頭野間忠兵衛組同心小野鉄三郎が平川御門当番の際に、遺恨より朋輩の小松福次郎を斬り殺し、自害した事件。②:「四月十九日之夜仮宅にて四人心中一件」。新丸亀屋鉄五郎抱遊女玉川25歳(新丸亀屋の金箱と称された女)と雛次22歳が客の本小田町壱丁目甚兵衛店いづ屋久兵衛召仕新吉25歳・永浜町壱丁目九兵衛店米屋清兵衛召仕万吉35歳と。③:4月19日夜、御代官斎藤嘉兵衛手代関畝次郎方に盗賊が押し入り、妻を強淫、畝次郎を打ち殺す。④:4月23日暁、芝宇田川町湯屋の物置より失火一件。増上寺に出馬の寺社奉行安藤対馬守の手廻りが、た組人足と喧嘩。⑤:「四月十五日夕方上野山下大喧嘩一件」。博奕仲間天神組と神田組との抗争の詳細な顛末。⑥:5月11日夜、本郷春木町三丁目御同朋頭岡田常阿弥宅へ侍体の賊が忍び入った件。⑦:江戸城御金蔵破り事件。5月13日、野州犬塚村無宿入墨富蔵33歳と上槙町清蔵店藤十郎39歳が御土蔵より金四千両を盗み出し、浅草で磔となった事件の封廻状と立札の写し。仕置場の絵あり、「小塚原の広野も見物満々て寸地の餘もなく…鼠小僧以来之群集と聞けり」。⑧:閏5月3日、霊岸島湊町長左衛門店小間物屋政兵衛が妻あきの密通を疑い、刃傷一件。⑨:閏5月3日夜、本所長岡町嘉右衛門店鮓商人力蔵が浅草諏訪町てんぷら茶漬の店で侍2人と争論となり、帰りに斬り殺された事件。⑩:閏5月6日夕、本所立川五ツ目川中で、田安殿御座船船頭と下総国相馬郡井野村の船頭との喧嘩一件。⑪:閏5月8日、尾張殿宿坊上野顕性院の普請に材木を運ぶ牛車と奥医畑中養庵の中間とが南伝馬町二丁目で行き当たり、牛方を因幡町屋敷に連れ行き縛る。牛方は尾州屋敷に注進、畑中の非分となり、畑中は南伝馬町へ酒1斗、牛方へ酒3升を送る。「畑中屋敷にては毎度相手をしばり置酒を取ては済せける所此度は酒をとられ候もをかしとぞ人皆いひあひけるとなん」。下巻:①:卯(安政2年か)4月22日、浅草山の宿五人組持店質渡世定二郎方に、侍体の者が風呂敷包みの生首を預けたいとやって来た件。実は持遊の達磨に細工したもの。②:全文「八代目再生猫春の頃出生/北馬道大師堂地内ときや清兵衛/三毛の猫也見物群集」。③:4月下旬より大塚おたんす町の湯屋で湯の中に女の浮死人が出て大騒ぎとなるが、三助が探しても何もなかった怪事。④:5月24日、牛込御門外家台見世の娘10歳が、三河屋の若者が水茶屋より甘酒を運ぶ所に行き当たり、顔に火傷。⑤:5月20日、東条権太夫侍が酒乱で用人に斬り付けた件。⑥:5月17日、四ツ谷新道のうなぎ渡世鈴木屋が鰯売と喧嘩、肴売の仲間が出刃包丁を手に集まり、木戸が止められる騒動。⑦:5月4日、麹町天神の社地に住む三河屋金兵衛妻さとが夫婦喧嘩の果てに、昼寝をする金兵衛の男根を小刀で半分切った騒動。外科医師田村宗哲が来て二た針縫う。⑧:全文「六月比奥州にて田へ腹の白き鼠出て稲の根を喰ひ候よし」。⑨:6月21日、筋違御門内で「大坂さへもんよみ」と雪駄直しが大喧嘩、双方に加勢が付き大騒動。日光御門主が通りがかったが、往来がならず道を変える。⑩:赤坂紀州たつみ御門前の油屋へ押し込み3人、亭主が斬られるが、「女房立出壱人の睾丸(キンタマ)をつかみ声立」てたので、近所から人が来て犯人に縄を掛ける。亭主は6月21日死亡。⑪:全文「一番町長谷太郎兵衛屋敷へ六月中旬より昼頃後向の女度々出候由家内おそれける此事は悴錦蔵密々にはなしける由芝山勝五郎の物語りなり」。⑫:6月14日、飯田町金田忠左衛門が母親と口論、茶碗・机・多葉粉盆を母へ打ち付ける。支配の耳に入り、禁酒禁足となる。⑬:6月初めより青山大膳大夫の青山下屋敷に夜な夜な狸が集まり調練の真似をする。⑭:山王社地丸揚屋の子の難痘が直り、6月9日酒湯を祝い、亭主は朝より酒を飲み始めるが、女房は一人で赤飯配りなどに気をもんだせいか、発狂してその夜首をくくる。⑮:6月13日夜、四ツ谷新道裏屋住居の者が夫婦で相対死。妻は死に、夫は生き返り入牢。⑯:6月11日、長谷川久三郎家来牧生与八娘22歳が発狂、腹を切り咽を突き肩を切る。沼太仲が療治をし快方に向かうが、15日夜また発狂し、あばれ歩いて死ぬ。⑰:牛込寺町草かり薬師の向に住む吉田左内という占者の娘が、白銀師と深くなじむが手切れとなる。その後娘が井戸の水を汲むところで白銀師の子が井戸へ落ちる。すぐに井戸掘が引き上げたが、子供は左内娘が落としたと語る。⑱:6月23日、和泉橋外で22、3の侍に町人が突き当たり悪口、直ぐさま斬り付ける。⑲:7月2日昼、牛込御門外で岡引5人が供を召連れた立派な侍を召し捕る。
Old seals
印記「斎藤文庫」(朱二重枠楕円印、斎藤雀志)。
Original Owner
Nagoya University Library
Remarks
水色表紙。○国書総目録に未収録。
Source
Nagoya University Library
Material type
JapaneseClassicalBook
Image
colour
Collection

Kotenseki Descriptive Database

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Original Owner
Nagoya University Library
Rights
Metadata Rights
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