新古今和歌集切

新古今、巻１８、１８３０～１８３４。１０行。隠岐本合点あり。「いかに（イいかが）すへき世にあらはやは世をもすてゝあなうの世やとさらにおもはむ／なに事にとまる心のありけれはさらにしも又世のいとはしき／入道前関白太政大臣／○むかしよりはなれかたきはうき世かなかたみにしのふ中ならねとも／なけく事侍けるころ大峯にこもるとて／同行ともゝかたへは京へかへれ（イかへりね）なと申てよみ／侍ける　大僧正行尊／○思いてゝもしもたつぬる人もあらはありとないひそさためなき世に／題しらす／○かすならぬ身をなにゆへに恨けむとてもかくてもすくしける世を」。