沙石集

無住 ( ムジュウ )

26.2/19.1

913.4-Mu

縹色表紙。四周単辺１３行。○小林忠雄「沙石集の版本に就いて」によれば、正保４年版に拠りつつ、行数を改めたもので、「其の際に相当多数の誤刻を生じてゐる」「諸版本中の最下位にあるものと言はねばならぬ」。○なお、貞享２年版あり（同上論文に言及があるが小林氏は未見）。椙山女学園大学蔵本（初印）によれば、後表紙見返に刊記「這固集依旧刻点画湮没也故今校正之而新開板者也／貞享二乙丑歳仲冬日〈摂陽　銭屋治兵衛／書林　和泉屋五兵衛〉開板」。本文は四周単辺１３行で、本文の文字配りも貞享３年版に同じ。但し、別版で、貞享３年版に見られる誤刻は見られないようである（未精査）。目録は版面が異なり、条番号は○内に記し、丁数を注記する。貞享３年版は貞享２年版に拠りつつ、かぶせ彫りではなく、新たに板下を作成したもので、その際に誤刻が生じたものか。