松柏科　松譜

Japanese

よし、又茶かすをほし、かわかせひきまぜてもよし、貧者かためにもちたんごよりもかうせんのかた、心やすくてよし、駕籠を舁（かき）て渡世をする者、此香煎を朝三椀づヽ食して茶をのみて出るに、午の時までうへざるよし、又松の粉をよく炒りて飯の上置にして食するに、松の皮のあくぬきせざれども宜し、右常に腹用すれば、身をかろくし寿を延ること松膏の功能に准へ知るべし、此松皮製法の趣ハ、享保十八丑年五月、浪華の住■上氏、某凶年の貧家にしらしむ、又其後寛保三亥年二月、江戸本船町の住大倉氏、貧家の飢渇に及ぶことを深くなげき、其患をすくいんため、四方に投じて志足りぬ、今又予其志を■ふして二士のあらハしおかれたるを求め出して貧家に知らしめんことを乞ひねがふのみ、｛明治十六年六月十六日　【農業雑誌】、朱書｝