楊柳科　デロ楊譜

Japanese

金巾及糸類ハ年々其額を増進して止むことなし、是蓋し本邦綿作の業、彼の米国の如く容易なるに至らずして培養に、製造に其費甚だ大なるを以て千万里外の輸入品に較し尚ほ価格の高位を占むるに因りてなり、今や此「カドロ」綿樹の如きハ山野荒蕪の嫌ひなく肥糞培養の労費なし、縦使綿質の草綿に下るものとハ雖ども一度繁殖多収の運に達するは至らバ、唯に金巾類の輸入を防禦するのみならず、却て外邦に向て巨額の輸出を為すに至るときハ疑なかるべし、依て本年ハ実試採収したる綿絮を以て、反物中綿及糸類の数品を製し之を明年の内国勧業博覧会に出品して普く衆庶の観覧に供し、兼て該会の審査により其情質を悉知して将来利用の如何をト定セんか為め、即今既に送致したり、明年該会の審査ハ果して如何なるカ首を延べて俟つ所なり／秋田ノ会、カトロ、土俗、性質楊ニ類而葉モ梨ニ類セリ、昨年夏秋ノ際検出ト云、草綿当ト、合