松柏科

Japanese

土蘇木【大明一統志】、朱松栢【説文】、樹直生して二三丈に至る、葉の形框に似て短く、葉繁く附てきやら木の如く、春月枝の先に小き白花と開き、実を結ふ、形豆に似て小く紅くして南天の如し、此樹諸州に間々ありといへとも、飛騨の位山の物を名産とす、木理正めにて肌赤く美く香気あり、数尺の物にても末より割ハ根木まて直にさける、以て筍に作り、又水毒を解すゆへ水甕の蓋とし、又湯殿の板とす、又楊由美の矢となし、日光よりハ箸に作り出し、あららきのはしと云、加賀よりも出つ、牙枝に作り出す、先輩の説に大明一統の土蘇木なりと云う、此樹一位の木の名ありといへとも、櫧の木に似たる木の一位とハ同名異物なるゆへ混すべからす