松柏科

Vol. 134 松柏科

伊藤圭介

Japanese

｛イチヰ、朱書｝／｛【工業新報　十年八月　六号】、朱書｝、鹿島萬平、北海道に方言ヲンコといふ樹あり、性質ハ水松（アラヽギ）に似て水松より木精剛し、飛騨より出るものに対す、僕か釧路国厚岸郡にある支廛の勝手の水桶ハ此ヲンコにて造りし者なるが、寛政年間に造立せしより今以て腐敗の色なく、此木何十年を保つ可きか知難し、是亦槇と大同小異の品と見えたり、昨年一小片を博物館に献して今尚同館にあり、今般内国博覧会に僕か水車器械の製糸を出品せり、其外囲に用ひたる糸巻形の函縁りは即ち此ヲンコの木材を以て造れり、博識諸君の展覧に備へ経久の木材たる考案を乞はんと欲す云々、他ハ尚ほ次号に譲る／○ムネズワウ、イチイノキ、アラヽギ也、｛【木曾草木イロハ寄】、朱書｝／大槻ノ地誌要略ニモ位山ハ満山悉檪樹ニシテ其昔ハ例ニ御笏ノ用ニ供ス、仍テ比名アリ／｛イ四、朱書｝／タチズワウ、イチイノ木、アラヽギ、｛【木曾草木イロハ寄】、朱書｝、右イチノ木也、大木アリ、葉カヤニ似テ細ニ和也、実アリ豆粒ノ如シ、赤色ニ熟ス、人不食鳥食スト云

工業新報

鹿島萬平

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470.3-I-134(153)