松柏科　杉譜

Vol. 133 松柏科　杉譜

伊藤圭介

Japanese

杉苗〈神奈川県相模国鎌倉郡中田村〉、小山金左衛門、栽培、杉ハ毎歳三月下旬ニ下種ス、其法圃中五歩ニ種子一升ヲ播クヲ率トス、十五六日ニシテ発芽ス、翌歳三四月ノ候稍長シテ四五寸ニ至ルトキ之ヲ他ノ畦ニ移シ、各四五寸ヲ間セシメ翌歳ヲ待テ再ヒ移植ス、杉苗〈茨城県常陸国茨城郡先後新田〉、深作利左衛門、栽培、実成ヨリ凡三十年乃至四十年ニシテ始メテ板トスヘシ、下種ハ毎歳四月下旬ヲ期トシ、下種ノ後人糞ヲ施ス、一番肥ト云フ、後毎歳根際ノ雑草ヲ去ルコト五回、二歳ヲ経テ別処ニ畦ヲ設ケテ移栽シ、毎歳畦間ヲ耕耡スルコト三回、三年ニシテ肥料、人糞ニ乾鰛ヲ混ス、ヲ施シ四歳ヲ経テ山野ニ移栽ス／○杉檜、山谷に生立のもゆへ深山不毛の地ヲ見立、農家に多く仕立させない国産となることちひなるへし、｛【国産考】、朱書｝／土佐杉、同名古屋末広町　成田藤八郎、其質善良ニシテ需用広シ、明治十一年名古屋博覧会／掖玖杉ハ酒家の槽に佳とす、右和訓栞巻十二ニ出／杉、虞山邱瓏間多、【蘇州物産志　十二】、義経ノ指杉〈伊賀国〉、天狗杦〈山城国牛ノ尾〉

小山金左衛門

深作利左衛門

成田藤八郎

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