松柏科　杉譜

Japanese

春齢立、花戸、ヒモスギ、｛按トモエスギ也、ホウハウスギ也、トモエスギヨリネヂ多シ、朱書｝、杦〈大隅国屋久島〉【日本地誌提要　七】／杉、北越山中ノ杉樹総テ根上ニテ曲折ス、即苗弱ノ時冬雪ニ逢テ苗地ニ臥テ不能直上、故如此ト云、｛【北越卉牒】、朱書｝／杉、スギ、種々アリ○〓木ハアカスキヲ云、木ヲシトヲリテ紫キナリアレハ上品ニシテ、酒器ニスルニヨシ、白キモノハサシキナリ○油杉ハ則マヘノ〓木也○総杉ハ観世ゴヨリヲアゲタルコトキハガマジリテアルナリ○丹桎木ハ山スギ也／○すぎ、杉を訓せり、新撰字鏡に檆とも見ゆ、日本紀に榲をもよめり、集韻に杉也と見ゆ、直に生ふるもの故に名とするよし万葉集抄に見へたり、げにもハら神木とし正（真、訂正）直の表物なれハ日本記にも石ノ上振之神榲、万葉集にも三諸の神の神すぎなとも見えたり、されハ我邦の産まされる事合璧事類に見へたれハもと比邦の産にや、本草にも倭国に生るものを倭木といふと書せる也、神名式にハ棒もよめれとこハ欅字の誤にて訓もぬぎ謬てすぎとなる也、俗に椙ノ字をよむハ三代実録に見ゆ、椙を譌りたるなるへし○いとすきあり、絲杉也といふ、吉野杉の上品をべに杉といふ、猿猴杉なり、姫杉あり、綾杉あり、鬼杉あり○安永二年六月の大風に外宮の杉多く倒れたりしうは杉といふありて十六かヽへありといふ、｛【和訓栞】、朱書｝

日本地誌提要

北越卉牒