蘇鉄科

Japanese

勿れ、尤も人糞と〆粕とも亦用ひて可なるへく、其他芒、萱、藁等の腐りたる者、及竈（かまと）の焼土（想ふに煖廬煙突の煤亦可なるべし、宜試）を根のまハりに埋め、之を温養するも可也、此草固と南方暖地の産なるか故に寒国、或ハ山中にハ培養せられ得ましきも、甚烈寒ならさる地方にてハ冬季之を堀起し、俵又ハ胡座等に裏（つつ）みて土蔵、或ハ二階に納メ、来春暖気復りて後之を出さば必すよく繁栄すべし、氏の培養せられたる蘇鉄の衰凋せるハ、恐らく寒を防くの用意足らさりしか、赭土に植へたることの不可なりしか、若くハ多く蟻のつきたるによるなるべし、蟻ハ甚だ此草を好み、常に集り来る者なるか、其多く寄蝕する時にハ遂に之を枯すもの也、此三条に注意して更に培養試植せられんことを欲す｛明治十六年一月十三日【農業雑誌】、朱書｝／シー（シ）カスメヂヤ、cycas media、シカスメジア