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蕁麻科 楮栲譜

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"蕁麻科 楮栲譜" owned by Nagoya University Library, retrieved from Ito Keisuke Collection(https://da.adm.thers.ac.jp/en/item/n002-20230901-13344)
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CSV
ID
M2005033018273131985
Collection category
  • 錦窠植物図説
Title
蕁麻科 楮栲譜
Other title
Vol. 107 蕁麻科 楮栲譜
Volume
107-076
Language
Japanese
Translation
で所作木綿(ユフ)とはいふべき、右に挙けたる古語拾遺の引き続きの文に、令天羽槌雄神織又布令天棚機姫神織神衣などある如く、必らず所織木綿とか、合織木綿とかいふべければなり、況んや同書神武天皇の段に天津日鷲命之孫造木綿及麻並織布、仍令天富命率日鷲命之孫、求肥饒地、遣阿波国殖穀麻種、其裔今在彼国当大甞之年、貢木綿麻及種々物、所以郡名為麻殖之縁也とありて木綿(ユフ)と麻とは常に相並べて記し、織布と別てるにても明らかなり、さて此のユフは前に云へる如く、専ら栲布を織る材料に倶ずるものなれども其の色潔白にして至つて清浄なるものゆゑに、又ものまヽにて多く神祭りのをりの具に用ゐたり、其は楮皮にて作れるユフを、(麻を晒して作れるものをもユフと云ふ事あるに対ひて)殊に白木綿(シラユフ)と云ひ、此のユフにて織れる布を白布(シロタヘ)、(白妙白栲など書くは皆借字なり)と云ふにて知るべし、又栲布(タヘ)或は白栲(シロタヘ)と云へば、総ての布帛の総名となれるにても、太古より此の布の広く天下に用ゐられし事明らかなり、ユフの本質及び用法等は、既に前に記せる如くなれども古よりこれに木綿の文字を当て用ゐたるは如何(イカニ)と云ふに、本居宣長翁の説に【和名抄】祭祀具に、本草注云木綿折之多白糸者也、和名由布と見え、又木部に杜仲陶隠居本草注云杜仲一名木綿折之多白糸者也、和名波比末由美(ハヒマユミ)と見ゆ、此レに依て思へば、古へより由布(ユフ)に木綿字を用るは、杜仲の一名を取れるなり、されど其は穀(カチ)を杜仲と思ひ誤れるにて、実に杜仲を用ゐたるには非ず、然らば【和名抄】にも祭祀具にハ穀を挙て和名由布(ユフ)と記すべきことなるに、木綿と挙たるは、古へより世にあまねく用る字を出せるのみにて、実に杜仲なりとするには非ず、故に同陶氏が説を引きながら彼処(カシコ)には杜仲の字をも、波比末由美の名をも挙げず、そは別に木ノ部に出せり、そのかみ既に杜仲をば由布(ユフ)には用ざりしことを知るべし、(以上宣長翁の説)と云はれたるにて明けし、以上述ぶる所を以て、上古よりものに見えたるユフと云ふ物の、本質用法及び当てたる文字の正しからざる事どもをも知るに足るべし、次に今の世にモメンといふものは、木綿の字音にて、草綿又木綿(本草綱目巻三十六潅木部木/(雑誌切り抜き「ユフとモメンとの弁 並に綿種渡来の事 東京 東宮鉄麿」続き)
Original Owner
Nagoya University Library
Source
Nagoya University Library
Material type
JapaneseClassicalBook
Image
colour
Collection

Ito Keisuke Collection

The Ito Keisuke Collection belonging to the library attached has a collection of 188 manuscripts by Keisuke Ito, who is called the father of modern Japanese botany.
Original Owner
Nagoya University Library
Rights
Metadata Rights
Use of Content

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