蕁麻科　楮栲譜

Vol. 107 蕁麻科　楮栲譜

Japanese

ゆふ、万葉集、日本紀に木綿を訓せり、潔白清浄の義也、もと栲（タク）樹の皮を剥て造れるよし古くいへり、されハ宝基本紀に謂以穀木作白和幣名号木綿と見ゆ、紙の濫觴なるよしにて、梁塵抄に紙に造る木也といへり、筑紫風土記に長木綿ハ麻也、短木綿ハ苧也と見ゆ、今の木綿にハあらす○神楽歌に三島木綿といひ、木綿造る信濃糸といへり、古へ多く伊豆信濃より出したるにや、今に東（アツマ）木綿、安芸木綿と見へたり、東国の俗にしなといふ木ハ即栲なるへいしといへり○豊後風土記に速見郡抽布ノ郷、此郡中栲樹多生常取皮以造木綿因日抽布郷と見へたり○結をよめり、よるノ反よ也、下総の結城も木綿より出たるよし、古語拾遺に見へたり○夕をもよめり、こもよるノ反ゆなれハ夜と意通へり○ゆふ川ハ吉野川也、万葉に遊副川と書り、【和訓栞巻　三十四】

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