大戟科

Japanese

桐油添乃方、唐入多くこれを用ゆ、桐油壱升まじりなきをあふらミと云ふ、桐の木に似たる木の油也、江州大津に多うる物也、蜜陀僧二十目細末して右の油に入てぬるは、火にて朝より晩乃八ツ時まで三四時ねる也、よき時節ハいらしべに懸て引上て糸のごとくたらたらとするくらゐ也、煉過てハ油堅く成てあし、よき時節茶碗にいれ紙蓋してをきて何にてもぬるべし、一遍ぬりてハ悪し、二遍よし、先一へんぬりのれて又ぬるかろし如しろハ日に千すへし、干乙そ品物ならハ陰干にすべし、一遍ハ四五日の程にひる、又色を付るにハ絵具を用ゐゆ、絵具ハ極めて細末すべし、其ぬり物する程づヽ当座に合す、あハせ置ハあしく○こくその事添ぬりものヽ如くにハせず、只ぬる斗にて吉下地うすくよハき物ハしぶ糊て張り其うへをぬる也、刷毛も当座に能ぬぐハざれべかとく成てやくにこヽず、寒月にハ此ぬり物手際悪し、油乃匂ひまとりたき、物ハおりおり水にてあらへバ悪臭さる也、【万宝鄙事記　二】