黄楊科

Vol. 102 黄楊科

伊藤圭介

Japanese

黄楊木、べんてんつげ、つげ、｛潅、朱書｝、豆州三倉島に多くありといへり、樹高さ三四尺、方茎対生し、葉ハ柞木より円く厚く、先凹ほにして軍配の如し、春月葉の間に薄黄色の小花を簇生し、後実を結ふ、大さ指頭の如く、頭に三ツの角の如き物を生す、熟すれハ、黄褐色となる、これを割ハ中に細き実あり、木理蜜にして黄色也、堅くして印に作り、又櫛に作る、一種、くさつげ、樹小にして、尺余に過す、方茎対生し、葉の形べんてんつげに似て小さく軟に、長さ三分許りにして、先凹をなしてべんてんつけの如し／一種、有木高不過一二尺者、葉細長而薄、其長不過四分許、枝葉茂密、夏月蒼然、可愛、世人多種之園中、俗呼比女豆計、亦呼久左豆計、漢名黄楊、【常産物志　十三　柞木ノ条】

10148356

470.3-I-102(120)