瑞香科

Japanese

植附地性の事、山地黒壚、但氷柱を生じて隆起する寒気強き地は保たず、然らざる黒壚にて石交りを最上とす、石斗を見ゆる地も宜し、真土にても年数保たず、駿河の内にても原・沼津在は黒壚なれとも石交ならずして応合せず、赤真土ハ可なるべし、日向山ヨリ日陰なるが宜し、又杉檜伐採跡、雑木生草生、いづれも新開拓地に応合す、石交りの畠地宜しけれとも外作の方益あるべし、坪に何本植の事、二尺間縦も横も同し、何年振切取の事、例へば子年播附、丑年移植、寅年の暮伐るを二年木と云フ、但卯年の三年木にても宜し、育次第見計なり、応合の地は三年木となして伐れば益多し、応合ならざれば二年にても伐るべし、応合ならざれば三年目に枯るゝるなり、但三年目凡五尺余にもなるべし、不応合なればこの例ならず、再度伐採は初度后二年目にても宜し、但小（ち）さきを残し置くべし、又伐口へ土のかゝらぬ様注意すべし｛明治十六年三月十日　【農業雑誌】、朱書｝