瑞香科

Japanese

易の道益々開くるの世勢に方るを以て、本邦製紙の業を盛大にし其輸出を拡張せる、蚕茶に譲らざる無彊の国益を振興するや必せり、近頃蒸気機械の力を用ひ製紙の事業を創する者亦漸く増加するを見る、然るに其機械たるや固（もと）廃布敝麻の類を以て抄造する外国の製方に係れりと雖も、試みに彼の機械に藉り雁皮三俣の類を用ひ之を抄造せしに機械の適合せさる所あり、少しく工夫を加へ之を適合せしめば必其難を除くを得べし、然りと雖も雁皮、三俣の如き刀截して之を細末せバば成る所の紙質柔靭の能力を失ひ、又腕力を以て之を叩き、其質を細末すれば、多少の労力と時間とを費し、彼の機械製紙の大事業に応ずるに足らす、是を以て