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石南科

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"石南科" owned by Nagoya University Library, retrieved from Ito Keisuke Collection(https://da.adm.thers.ac.jp/en/item/n002-20230901-10048)
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CSV
ID
M2005033017193827684
Collection category
  • 錦窠植物図説
Title
石南科
Other title
Vol. 075 石南科
Volume
075-079
Language
Japanese
Translation
馬酔木の考、万葉集に馬酔木をよめる歌凡六首あり、古版本の訓ハいつれもツヽジとあり、但し古くハ此馬酔木にツヽジ、又アセミの両訓ありしよし、顕昭の袖中鈔ニ見え、又古今六帖、赤人集、家持集などに万葉集の歌を載せたるにもアセミとよめるとツヽジとよめるとがあるなり、さて此馬酔木ハ〓木のことなりとハ近頃の本草家の説一定したるやうなれど、万葉の歌のおもむきにてハいと愛らしく、且山中にありてよく人の目につくものの如し、{(しかるに、朱引き抹消)}〓木ハ其花{(さまでうるはしからず、朱引き訂正)}{愛らしく、朱書}人の目につくべき{さるなり、朱書}、{(ほとのものとも見えず、これによりて熟考ふるに、かの、朱引き抹消)}{■■るに万葉集の上にてハ、朱書}馬酔木{(ハ、朱引き訂正)}{と、朱書}茵芋{(の、朱引き訂正)}{とハ、朱書}{(■にてハあらざるにや、茵芋ハ花の形、〓木よりうるはしく愛らしく、朱引き訂正)}{■つ物の如くなれは決めて〓木なりとも定めかたきこゝちす、朱書}、しかおもふハ本集万葉巻三の歌に茵花香君(ツヽシハナニホヘルキミ)云々とありて、茵をつゝじに充{(たり、さて、朱引き訂正)}{たれはなり、かくて、朱書}輔仁の本■■■■も茵芋和名につゝし、一名おかつゝしと見え、和名抄も同じ、■■■時俊が医家千家文の苗芋華細とありて自注に茵芋、和名おか■■■、私案あせほ、是也といひ、又康頼本草にも茵芋、和名おかつゝし■■■て和気氏某の注を載せて、私家旧記云、和名アセホノキとあり、アセホは■■■の訛■■ナリ、以上の書に拠るに古く茵芋にツヽジとアセミとの二訓あり、又■■木にもツヽジとアセミと二訓あり、これ茵芋と馬酔木とハ同物異名と■■おぼゆれ、且既にいふが如く万葉集に馬酔木をも茵をもツヽジに充たるハかたかた同物なること疑ひなきやうなり、{△されと茵芋ハ俗にミヤマシキミといへるものにて其花さまて愛らしきものにあらすして人のよく目につくへきものとハ見えす、よりて按ふるに古人は〓木を茵芋と誤り、認めたよしにや、茵芋も本草綱目に毒草の部ニ収メたれはそひまかひくるものならんか、猶識者の続攷を俟、朱書}{以下刪去、朱書}しかるをこれと〓木の事としたるハ馬酔木といふ字面より附会したるものにて馬酔木の酔字ハ詩に天酔桃李花といへる
Original Owner
Nagoya University Library
Source
Nagoya University Library
Material type
JapaneseClassicalBook
Image
colour
Collection

Ito Keisuke Collection

The Ito Keisuke Collection belonging to the library attached has a collection of 188 manuscripts by Keisuke Ito, who is called the father of modern Japanese botany.
Original Owner
Nagoya University Library
Rights
Metadata Rights
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