金縷梅科

Japanese

プラターニュス、｛楓、朱書｝、｛楽■藤？、朱書｝、形状、プラターニュスハ大木ニシテ甚長ク広クヒロガリ多ク、場取ル大ニ蔭ヲ生ズル処ノ枝アリ、葉ハ甚稜アリテ「モルレンコロイト」ノ葉ノ如ク処々ニ深キ切レ込ミアリテ蒲桃ノ葉ヨリハ大ナリ、皆別ナル淡紅色ノ茎ニ生ス、芲ハ大ナラズシテ蒼色ナリ、花後丸クシテ玉ノ如クナレトモ粗麁ノ実ヲ生ス、此プラターニュスノ実ハ「アシヤ」ニ於テハ他国ヨリハ甚タ大ニシテ粗ナリ、時トシテハ胡桃之大サアリ、所在、プラターニュスハ小河流水瀑水之辺ニ能ク生ス、之ヲ「イタリヤ」ニテハ園中ニ植ヱ長生ス、「イタリヤ」ニ於テハ此木野生セスシテ他国ヨリ移シ植ヘンカ故ナリ、和蘭陀国ニテハ是ヲ見ルコト希レニシテ唯草木家之園中ニ於テ見ル、亜細亜ニ於テハ甚タ多ク生ス、「カンテヤー」島ノ諸山ノ渓谷、キレークスノ諸所、即チ「ペルフホトホス」ニ生スル「ペトリユス」「ペロニュス」ノ説クカ如シ、フレニュス第二巻ノ一章ニ此木ノ事ヲ記シテ曰、「イタリヤ」国ニ於テ「プラテニュス」ノ久シク枯レスシテ蘩生スル