槭樹科

Japanese

｛【剪花翁伝前ヘン一】、朱書｝、○嫩槭樹（わかかえで）、数種即若芽紅葉二月中旬方日向地二分湿土回茎（まひごみ）、肥大寒中に入べし、移秋彼岸より十一月頃迄よし、○毛氈○縮緬○定家○山○青海○緑青海、いづれも芽出し至て赤く、葉満開て、後青く秋淡く照也、毛氈殊にあかし、青海は葉七弁（ななつぎれ）にて、色亦深くして、長くうすろがす、○野村色紫にて秋も同し色なり、紙に摺写せは、紫いとうつくし、○一行寺芽出しの時は、少し赤く開き満ては青し、秋は抜群照也、都て芽出しの枝は、水上がたし、是は枝本を水に入んとおもふ程の長を鋸目を入て、汲立の水にて、逆水して、水器に生置ば、勢ひよく水を上る也、もし、日を経てものは切口をよく焼きて、此切口を切捨（きりすて）木通の末（こ）を水に和し、其中に漬置後押べし／第二回、内国勧業博覧会点査表、審査官・伊藤圭介、名物「楓類百種」、出品者「上駒込村・伊藤五三郎」、品質・二三〇、形状・二五〇、栽培・一五〇、需適用・二〇〇、共計・八三〇、通計・八三〇、擬賞・二等、提要「槭樹ノ異種変葉ヲ博集シ人ヲシテ愛玩セシム、ソノ功労甚嘉賞スベシ」