槭樹科

Vol. 030 槭樹科

伊藤圭介

Japanese

朝露：葉切込ありて、木もしだれて出葉ヨリ、秋色うす紫にして、うこんに秋てりて、見事成楓なり、業平に似りて小切深く多し、深山楓：葉形異りて、木も太く、田舎楓とも、紅葉見事なるへし、紅葉重：葉形小、葉数多くして山楓の如にて、重る事半分つつ、おい重りて、春ヨリ色あり、葉形常にななめあり、秋の紅葉見事也、重る事、風車の如し、千里：葉形立田紅葉に似り、青々、秋の紅葉すくれてよし、関守とも駒駐メとも云、紅葉見事也、夕時雨：葉形似りて切深く、秋め色様々交りてよし、欝金：葉形千里に似りて極小さくして、愛らしく、春の出うこんにして夏薄青く、秋紅い見事也、おり霜：葉形小くして、葉よれて、しおらしく、俗よんて、縮緬と号、うらより、表にまくれて、薄白く、霜降の如く〔破損〕なる葉あり、及故紅葉秋はなし、紅葉木｛（モミチボク）、【花名集】、朱書｝、高木葉も木もみゆみと云ふ木に似り、木ぶりはなへて松形の小成て、花白くして、細かく、実少し有、秋の紅葉楓にまさりて見事也

ムクロジ目カエデ科

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