無患樹科

Japanese

一、武蔵野菅生といふ所の村にも龍眼肉の樹あり、是は其村の医師薬龍眼肉種を捨し藪の中より生出て、今は大樹となりてあり、又同村里、正田沢薬これを聞て新渡りの龍眼肉を一斤求めて蒔きたるに二本生せしよしをかたりぬ｛右、漂海全、朱書｝／リ・三／寛政四年五月十九日、大隅ノ産ナリトテ曽煥卿余ニ龍眼三顆ヲオクル、華産ニ比スレハ実小フリニテ殻稍厚ク皺紋少シアリ、是自然生ノユヘナルヘシ、周亮工カ閩小紀ニ云、閩会二十里東南隅多龍眼樹三接者為頂円核之初種経十五年始実実甚小俗呼為胡椒眼覓善接者鋸木之半去大実之幼枝接之至四五年又鋸其半接如前若此者三数次其実満溢倍于常種若一二接即止者形小味薄不足尚也、三接者曰針樹未接名野〓トイフト見ユ、接スルニ薩州ヨリ龍眼ヲ献上セシコト寛明日記ニミユ、其比ヨリノ事トナリ【近聞雑録　完】／龍眼