無患樹科

Japanese

｛【中陵漫録　一】、朱書｝黄疸ノ妙薬、備中ノ高山赤浜ノ民家ニテ製シテウル、黄疸ノ妙薬ハ十ニ八九ハ効験アリ、其方無患子皮一味ヲ極末シテ、梧子大ニ丸シテ、茶ヲ細末シテ衣トナス、三十粒ヲ三度ニ服ス、凡一七日ニシテ愈コト、｛愈妙也、朱書｝／｛【花名集】、朱書｝木槵子｛（モクゲンシ）、朱書｝、高木葉はおおちの木のことく近く云へは庭とこの切有かことく、花の色うこんにして一所に多く集り立房咲、春木の花の大きか如く、実は珠数玉の如く、一茎に百八の数を結ふと云ふ、此実をとりて念珠になせり／｛一、朱書｝、もくろじ、一名つぶと云、高木にて葉はくるみの如く花黄色にして見るに足らす、実ありて龍眼肉の如にて黄色なる、外皮あり、中に黒き実有て枝に少しの門有て実は黒くしてかたし｛【花名集】、朱書｝／○和名ムクロシノキ、漢名〓木実ヲ無患子ト云、洋名、自然分科、無患樹科、林氏第八綱第目、諸州山野ニ産ス、又人家ニモ栽ユ、落葉喬木ニシテ、幹上枝ヲ分チ、高ク聳ユ、樹皮灰白色、枝互生ス、六月枝頭ニ複梗穂ヲ抽テ淡緑色ノ小花ヲ多ク綴ル、萼ハ苞状ニシテ大小五片、花弁亦五片大小アリテ、細鋸縁ヲナシテ毛茸アリ、八雄蘂長短アリ、卵円ノ黄苞ヲ着ケ一雌蘂アリ、淡黄色ニシテ脚差大ク、実礎ハ淡緑色円ニシテ竪ニハ／５