橙橘科　文且譜一

Vol. 017 橙橘科　文且譜一

伊藤圭介

Japanese

一、大福ユ、甚酸シ、刺強シ、ユカウト本柚ノ間ノモノト思ワル／ダイフクユ／【菓子大全　上】十三、柚餅、千代見餅とも云、切口ねずみ色、柚のあとさき薄く切り、中の実を去り皮を熱き湯に漬けあまはだをよく竹の箆（へら）にてこそげ、蒸籠（せいろう）の内に水にしたし布を敷、右の柚の内の水気なき様にふき、右の敷布へならべ粳（うる）の粉八合、餅の粉二合、白砂糖二百目、右砂糖に水五合入れ煎して、水嚢にてこし、又外に水三合入れ、又にへたたし右の粉を少しつつ砂糖水入れこね、右の柚の中へ流し入れ蒸なり、尤蒸し上り候へはうき上る、但し流し申候時随分つよく焼候はねばはたへなかれ出る、且又右の砂糖水よくにへたちたるにてこね候へば、こねる内にかたまるなり、右こね様の秘伝なり、何ほどにても右の割合にて知るべし

ムクロジ目ミカン科

菓子大全上

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470.3-I-17(30)