樟科

Vol. 096 樟科

伊藤圭介

Japanese

○クロカギ、三尾川平井方言、与柿同名異物、一名クロギ、大盗屋山ニ産ス、他山ニモアリ、樹直上シテ二丈許、皮黒色、葉サカキノ葉二似テ薄ク軟也、サハ誤カ、考フベシ、又コクサギノ葉ニ似テ小ク硬シ、葉茎黒色、新枝灰白色、葉四時不萎、按ニクロモジナラン、【熊野物産志】／（潅）釣樟、くろもじ、ちしや〈信州〉、せうかのき〈西国〉、ねろ〈越前〉、とりこしバ〈松前〉、クニネヲマクシネ〈蝦夷〉、山野自生多し、木皮淡緑にして黒斑あり、香気よく、此木にて牙枝を製す、葉も柯樹に似て硬く互生をなし、春月葉に先て花を開く、五弁淡黄色にして四五花簇生し、後実を結ふ、大さ南天の子の如し、秋に至り熟して黒色なり、一種、葉長く大にして柿の葉の如くにして硬し、花実ハくろもしの如し／○豆州志樟楠条、烏樟（クロモジ）、枝条黒色因テ名ク、諸山ニ多し、葉落後以為藩籬、其気芬芳、一名釣樟、又臭〓、【救荒本草】

岩崎灌園

10148350

470.3-I-96(114)

（灌）